社会保険料って、結局は税金だよね
日本の所得税率を見ると、フルタイムで働く人の多くは税率10~20%に収まると思います。諸外国と比較してもそれほど違いが無いように思います。
しかし、日本では社会保険料と言う名目で健康保険料が10%程度、厚生年金が18%程度、労働保険料が1.5%程度徴収されます。更に40歳から64歳までは介護保険料として1.6%が徴収されています。厚生年金は労使折半で労働保険料は事業主負担の方が多めではありますが、その人の給与に対して会社が国へ支払う必要があるため、人件費としては会社から出ていくお金になります。
これらの社会保険料はサラリーマンだと天引きとなっており、拒否することが出来ません。国が増税を騙るときは社会保険料と区別して話をするのですが、強制的に取られるので名目が違うだけで税金と何ら変わりません。
ただの言葉遊びでしかないので、僕は社会保険は税金でしかないと思っています。
労使折半分は給与明細や年金記録には表示されないので、労働者に保険料を安く見せるための仕組みにしか見えないのは僕だけ?
収入から社会保険を引いた後に更に税金が掛かる
会社が支払う給与額面から社会保険を引かれた後に、所得税がかかってきます。この仕組みがあるので、額面は年収400万円であっても所得税率は10%になったりします。これでやっと自由に使えるお金になるかと思いきや、次は住民税が待ち構えています。住民税は1年の収入が確定してから算出される仕組みのため、翌年に請求されます。つまり、毎月天引きされている住民税は前年分を払っていることになります。
住民税は10%で、所得税と同様に所得金額に対して税金がかかります。
とにかくややこしいですが、額面からどんどんと税金が引かれていくことは分かりますね。
多額の社会保険料を支払っても、所得税と住民税が待ち構えているなんて・・・
最後に待ち受ける消費税
様々な税金を引かれて振り込まれた手取りの収入ですが、最後の砦として消費税が待ち構えています。現在の消費税率は10%なので、実際に使える金額は手取りの90%ということになります。恐ろしいことにアルコール、タバコ、ガソリンなど品物によってはさらに別の税金を課しているので、酒税に対しても消費税がかかっていたりもするため、延々と税金を支払うような仕組みになっています。
各種税金を控除されて振り込まれた金額で何かを買うと更に税金を支払うの・・・?
賞与費用と手取り額
僕は零細企業を経営しているのですが、3月の決算賞与で額面15万円を支給することにしました。その際に従業員が受け取れる金額は以下の通りでした。
賞与 | 150,000円 |
健康保険料 | 7,335円 |
介護保険料 | 1,200円 |
厚生年金保険料 | 13,725円 |
労働保険料 | 900円 |
所得税 ※前月の月給により税率は異なる | 18,130円 |
支給金額 | 108,710円 |
会社は社会保険料や労働保険料の半額以上を負担することになるので、額面15万円を支給するには上記の健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、労働保険料の同額を国に治める必要があり、総額で17万円程度の費用が必要となります。
上記では控除されていませんが、従業員は翌年に賞与の住民税も取られるので、課税所得である126,840円の10%である12,684円も考慮する必要があり、実際の手取りは96,026円になります。
仮に全額をパーっと使うと10%の消費税が掛かりますので、9,602円が消費税となります。
するとどうでしょう?
会社は17万円程度支給したのに、実際に使える金額は86,424円となります。
およそ半分が税金(社会保険料含む)で徴収されていることが分かります。
税金からは逃れる術はないので、何もしないと半分ぐらいが税金で取られるということを認識し、ふるさと納税やNISAといった税制優遇の措置を積極的に活用していく必要があります。
会社が支給する費用の半額が国に徴収されるんじゃ、なかなか貯蓄まで回らんよなぁ。