S&P500と全世界株式
株式投資で良く勧められる商品にS&P500と全世界株式があります。S&P500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表している株式指数で、米国で株式上場している約500銘柄を時価総額で加重平均し指数化したもので、その指数に合わせた値動きを目指すインデックスファンドを指します。全世界株式とは、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動する投資成果をめざすインデックスファンドを指します。
S&P500は米国の株式詰め合わせパックで、全世界株式は全世界の株式詰め合わせパックといった位置づけになります。
個別銘柄は動きが激しいので、インデックスファンドの方が日々の株価に振り回されないですむ。
全世界株式の60%は米国株式
この全世界株式ですが、響きだけ聞くと世界に均等に投資しているように思えるのですが、実際には値の重みを加味して平均して株式を保持するため、時価総額の高い株式多く保有することになります。その結果、全世界株式といってもその内訳は米国株式が全体の60%を占める状況となっています。
こういった面から、S&P500はかつ丼で全世界株式はとんかつ弁当ぐらいの違いしかないから両方を半分ずつ買うのは無意味だと言われたりします。
両方を半分ずつ持つとどうなるのか?
S&P500と全世界株式を同じ金額分保有するとどうなるかと言うと、現状では米国株式が80%、それ以外の株式が20%という比率になります。ほぼ米国株式というポジションになります。そのため、あまり意味が無いと言われるのですが、僕は米国に対してどう予想するかでしかないと思っています。
そもそも、永遠に米国が一強であるならS&P500一択で良いはずで、全世界株式なんて不要になります。ですが、自分の理解を超えた事件が起きて米国だけ沈んだ場合や米国を超える国が現れた場合は全世界株式を持っていた方が安全です。そういったことが自分が生きている間に起こるかは分かりません。ですが、全財産を米国株式のみにしていると、そういったことが起こると詰んでしまいます。
過去を見て、どの銘柄を買っておくのが正解だったかを言うことは出来ますが、予測できない未来に備えてどの銘柄を買っておくのが正解であるかは誰にも分かりません。
そもそも、S&P500と全世界株式は片方が上がると片方が下がるようなプラスマイナス0の相関関係のある指数ではないので、片方を買うのが正解で両方を買うと不正解になるものではないです。
結果的にどちらか一方を買っていた方が利回りが良かったという話にしかならないです。
利回りを突き詰めていくと、個別銘柄に集中投資するのが正解になるのですが、どれが上がるか分からないから普通はしないのです。S&P500と全世界株式も自分か取り崩す時に、結果的にどちらの方が利回りが良かったよねとはなるのですが、どっちが良いか分かりません。両方買うというのはその中間の利回りを取りに行くということになります。
片方を買うと正解で両方を買うと不正解になる商品なら、そもそも買わない方が良いでしょ・・・
米国株式をどこまで信じるか?
僕は自分が生きている間は米国が強いままなんじゃないかと予想しています。ですが、米国だけ沈むといった予期しないことが起きたら困ってしまうので、ある程度は米国以外にも投資していたいと思います。8割ぐらいは米国を信じているので、S&P500と全世界はざっくり半々ぐらい持っていれば安心できます。
この割合は人それぞれで良いと思いますし、現時点では自分が取り崩すタイミングで何が正解だったかを知る人はいません。なので、自分が米国を信じる度合いによってS&P500と全世界株式の割合を考えていけば良いと思います。
全世界株式の銘柄は後追いになるから、現状はS&P500一本で運用し、米国の状況が変わったら勢いのあるインデックスファンドに乗り換えていくのが効率的なんだろうけど、一般人には潮目の見極めができないし乗り換えるべき商品の選定も難しいので、現状はS&P500と全世界株式の両方を使うのが少ない労力でそれなりの成果が出る方法になるんじゃないかなぁ?